退職代行はホントに即日退職が可能か?退職に関する法律の仕組み
公開日:
現在ブラック企業などにお勤めで、辞めたいと思っているのになかなか辞めると言い出せず、不本意にもズルズルと働き続けている方はいませんか?もし、「明日から行きたくない」、「本気で辞めたい」と思っているのなら、ぜひお気軽に弁護士にご相談ください。
- 今回の記事でわかること
-
-
即日退職は可能か
-
明日からもう会社に行かないでよいのか
-
退職にあたってするべきこと
- 目次
-
-
会社を辞めたい!明日から行きたくない!!
-
会社を辞めたい社員と同僚の会話
-
まずは、気軽に法律事務所に電話をかけよう
-
「本当に会社を辞められますか?」
-
「明日から行かなくてもいいですか?」
-
退職の際にやるべき交渉や作業には、どんなものがある?
-
まとめ
会社を辞めたい!明日から行きたくない!!
会社を辞めたい社員と同僚の会話
同じ会社で働く神田さん(以下、神田)と日暮里くん(以下、日暮里)の会話を見てみましょう。
- 神田
- 日暮里くん、どうしたの? 青ざめた顔をして。
- 日暮里
- やあ、神田さん。僕は、もう明日から会社に行きたくないんだ。あのブラック部長と顔を合わせるだけでも、いやだ、いやだ、いやだ…
- 神田
- じゃあ、会社に辞めるって言ったら?
- 日暮里
- 部長が怖いんだよ。辞めるなんて言い出したら、ものすごい顔で睨んでくるに違いない。
- 神田
- じゃあ、電話で言ったら?
- 日暮里
- それすらも嫌なんだ。なんだかんだ因縁をつけて、1回は会社に呼び出され、行ったが最後、辞めさせてもらえなくなるのは目に見えているよ。
- 神田
- 勇気をだして!
- 日暮里
- 無理だ。あの部長に対しては、僕はもう足がすくんで何も言えなくなってしまうんだ。実際、辞めると決めてから、もう何ヵ月も辞表を出せずにいる。ああ、毎日が地獄だよ。
- 神田
- (時計を見て)まだ、午後になったばかりね。ねえ、いまから弁護士さんに頼んで、日暮里くんの代わりに会社を辞めるって言ってもらったら? 最近では、法律事務所で退職代行サービスというのをやっていて、午後早い時間に依頼すれば、その日のうちに対応してくれるの。うまくいけば、もう明日から会社に行かなくてもいいこともあるのよ。
- 日暮里
- 退職代行!?どんなことをしてくれるの?
まずは、気軽に法律事務所に電話をかけよう
「なかなか、辞められない」と一人で悩んでいないで、まずは、退職代行サービスを扱っている法律事務所に気軽に電話をかけてみましょう。そうすれば、退職についての説明を聞くことができますし、退職代行を依頼すれば、退職申入れや有休消化の交渉などについては、弁護士が会社との間で行ってくれます。退職したいけどできないという膠着状態を脱し、ご自身の生活を一歩前に進めることができるかもしれません。
ところで、退職代行サービスについては、法律事務所のほかに弁護士が一切介入していない民間会社も行っています。しかし、日暮里くんが神田さんにすすめてもらっていたように法律事務所に相談・依頼することをおすすめします。
退職の意向を伝えると会社から損害賠償を請求されるといったことがありえますが、法律事務所でなければそのような事態への対応は難しいからです。
本当に会社を辞められますか?
これまで、辞めたくてもなかなか言い出せず、我慢に我慢を重ねてきた日暮里くん。いったん辞めると決めたからには、もう明日からでも行きたくないと思うのが人情というもの。日暮里くんは、さっそく法律事務所に電話し、弁護士さんに自分の思いを正直に話したようです。
- 日暮里
- 会社を辞めたいのですが、ブラック部長が許してくれそうにないんです。本当に辞められますか?
- 弁護士
- 日暮里さんの労働契約は、雇用期間が決まっていない無期契約ですか、それとも、雇用期間の定められている有期契約ですか?
- 日暮里
- 無期契約です。
- 弁護士
- それなら、大丈夫。退職できますよ。
無期契約の場合、いくら会社が「辞めることを認めない!」と言ったとしても、民法第627条1項の規定によって、退職の意思表示後2週間が経過することによって退職することができます。
そのため、無期契約の場合、ほとんどの会社は退職に応じてくれます。
有期契約の場合、原則として「やむを得ない事由」(民法第628条)がなければ、契約期間満了前の退職はできません。しかし、弁護士から退職の意思表示を行い交渉すれば、ほとんどの場合は有期契約であってもスムーズに退職できます。
有期契約の場合や、有期契約か無期契約かご不明の場合には、その旨を弁護士にお伝えください。
「明日から、行かなくてもいいですか?」
- 日暮里
- もう明日から会社に行きたくないんですが…
- 弁護士
- (チラッと時計を見て)午後早い時間に相談いただけましたので、今日中か明日の朝には介入できると思います。
- 日暮里
- 『介入』って何をするんですか?
- 弁護士
- 会社にFAXや電話をして退職を申し入れ、明日以降、日暮里さんが会社に出社しないことを伝えます。
- 日暮里
- ひっ!明日の朝、FAXを読んで怒った部長が、僕のスマホに電話してこないか心配です。
- 弁護士
- 会社には、今後、日暮里さんに直接連絡せず、退職に関することはすべて弁護士を通すように申入れしていきますので、相手方から嫌がらせを受けるようなことはほとんど考えられません。万が一、会社の人が家に来たり、日暮里さんに直接電話をしてきたりした場合、弁護士から厳重に抗議しますのでご安心ください。
- 日暮里
- ほっとしました。
退職代行を頼んだら、もう明日から会社に行かなくてもよいかどうかは、とても気になることかと思います。結論から申し上げれば、ほとんどの場合、明日から行かなくてもよいのです。
※上記のとおり、無期契約の場合は、民法の規定により、退職の意思表示後2週間経過することで退職が可能です。有給休暇が残っている場合は、退職の申入れをしてから2週間経過するまでの間の出勤日について、有給休暇を充てることを会社に求めます。また、有給休暇の日数が足りなかったとしても、有給休暇が尽きた日をもって退職日とすることを会社に求めます。たとえ有給休暇がまったくなかったとしても、明日以降出社できないと伝えます。弁護士から会社に対して以上のように求めた場合、会社としても退職意思が明確で勤労意欲を失っている労働者を無理に働かせるメリットは少ないので、これに応じてくれることがほとんどです。そういった意味で、事実上、ほとんどの場合、もう明日から会社に行かなくてもよいのです。
弁護士との電話面談を行い、退職代行を依頼することに決めると、そのあと法律事務所から退職代行の契約に関する説明や、弁護士費用の入金口座などの説明があります。そして、弁護士費用の入金後、弁護士が会社に対して介入を行います。タイミングがうまく合えば、その日のうちに介入を行うことも可能です。
なお、弁護士費用の入金のタイミング等によっては、弁護士の介入が翌朝やそれ以降になってしまうこともあります。しかし、そのような場合でも、翌日はご自身で「体調不良で休みます」等の連絡を入れてお休みし(心労により体調不良になっているのは事実なのですから)、準備が整い次第、速やかに弁護士が介入し、退職意思の申入れと、以後依頼者の方が出社できない旨を会社に伝えるということができます。
いずれにしましても、退職を決意し、もう行きたくないということであれば、一人で悩まず、まずはお気軽にお電話にてご相談ください。
退職の際にやるべき交渉や作業には、どんなものがある?
- 日暮里
- よかった!明日から会社に行かないでよいとわかったら、なんだかホッとしました。ところで、退職の際に片付けておくべきことはありますか?
- 弁護士
- 退職にまつわる事務作業には、大体、次のようなものがありますよ。
-
有給休暇取得の申入れ
-
離職票、退職証明書等の交付請求
-
手渡しだった給料を銀行振込に変えてもらうよう要求
-
介入後の給与について遅滞なく支払うよう請求(退職後は7日以内に支払うよう請求)
-
退職金、社外積立金等の有無確認、ある場合は支払うよう請求
-
会社の備品の返却
-
業務引継ぎ
-
相手方から不当請求があれば、これに対する対応
-
相手方から提出を求められた退職届、誓約書等への対応
-
未払い給与の請求
-
未払い残業代があれば残業代請求
-
会社に置きっぱなしの私物の返還請求
-
依頼者の方の相手方ホームページにおける肖像写真の削除請求
-
社員寮からの退寮
- 日暮里
- へえ、こんなにあるんですか!
- 弁護士
- 意外に多いんですよ。退職の申入れをすることすら苦痛だった方が、退職すると会社に言ったあとに、これだけの交渉をするのは大変ですよね。
- 日暮里
- 確かにそうですね。弁護士さんにお任せしてよかったです。
会社が、意地悪をして有給休暇を消化させてくれない、離職票をなかなか出してくれない、というような場合に、ご自身で対応するのは大変です。しかし、弁護士を通して交渉や取り次をすれば、素直に応じてくれる会社がほとんどです。ですから、退職代行を頼むメリットは大きいのです。
たとえば、有給休暇について、20日以上の有給休暇が残っていることも珍しくありません。会社に対して、ご自身で有給休暇を使ってから退職したいと交渉しても、会社から「有給はない」、「退職する人には有給は使わせない」などと言われて、なかなか応じてくれないことがあります。
そこで、退職代行を依頼いただいた場合、弁護士から会社に対して、有給休暇の正確な残日数を計算してもらい、すべての有給休暇を消化してから退職できるよう交渉します。なかには、有給消化に応じない会社もありますが、多くの会社は、弁護士が交渉すれば有給消化をしたうえでの退職に応じてくれます。
まとめ
- 日暮里
- よかった!これで、もうあの会社に勤め続けなくてもいいんだ。新しいスタートが切れるぞ!!
-
会社が、なかなか辞めさせてくれない
-
明日からもう行きたくないけど、そんなことできるのだろうか
-
有給休暇を消化してから辞めたい
-
辞めるなら、損害賠償請求を支払えと会社から言われている
-
実は、残業代をちゃんともらってなかったんだけど、辞めたらもう支払ってもらえないのだろうか
などなど、退職に関する悩みは尽きませんよね。
しかし、ご安心ください。アディーレ法律事務所では、経験豊富で労働問題に詳しい弁護士が多数在籍しており、依頼者の方の退職についての悩みを一緒に解決します。なかなか退職することができない方は、一人で悩まず、ぜひお気軽にアディーレ法律事務所にお電話ください。
また、アディーレ法律事務所では、退職に関する面談の際に、ご希望に応じて未払い残業代についての面談も承ります。そして、もし在職中の残業に対する賃金がきちんと支払われていないようであれば、退職と並行して請求していくというサービスもございます。
嫌な会社にいつまでも居続けることはありません。ぜひ、アディーレ法律事務所と一緒に一歩先へと進みましょう!
-
※現在アディーレでは、残業代請求を含む労働トラブルと、退職代行のみご相談・ご依頼をお引き受けしております。 残業代請求と退職代行に関するご相談は何度でも無料ですので、お気軽にお問合せください。
監修者情報
-
資格
-
弁護士、行政書士(有資格)、華語文能力試験高等(台湾)
-
所属
-
東京弁護士会
-
出身大学
-
早稲田大学第一文学部、台湾大学大学院法律研究所、早稲田大学大学院法務研究科
人が法律事務所の門を叩くときは、どんな時でしょうか。もちろん個人によってさまざまなご事情があるでしょうが、人生において何か一つ区切りをつけて新たな出発をしたいと強く願っている点では、共通していると思います。先行きの見えないこんな時代だからこそ、その出発が希望に満ちたものでありますように。そのお手伝いをさせていただくことこそが弁護士の役割だと思っております。