労働問題に関するQ&A
労働審判は、相手方の異議によって訴訟に移行する場合もあるため、必ずしも労働審判のみですべてが解決するわけではありません。
ただし、あっせんなどの裁判外での話合い手続と異なり、相手方が話合いに応じなかったというだけで、解決が不可能となるわけではありません。労働審判には、大きく分けて、調停による解決と審判による解決があるからです。
まず、労働審判のなかで、相手方との話合いがまとまれば「調停」が成立します。統計によれば、毎年、労働審判が終了した件数のうち、約70%は調停が成立しています。
また、話合いがうまくいかなかった場合は、労働審判委員会による審判が下されることが通常です。
なお、相手方が労働審判に出席すらしなかったとしても、審判を下すことは可能です。審判は、裁判所の判断ですから、判断から2週間以内にいずれかの当事者から異議が出されなければ、確定判決と同様の効力をもつこととなります。
調停が不成立となり審判が下された件数のうち約40%は、審判に異議が出されることなく確定しています。つまり、調停成立したものと合わせると全案件の約80%が、労働審判で解決を図ることができているということです。
このように、あっせんなどと異なり、審判という形で結論を出すことができ、調停も含めると大半が解決に至っているという点が労働審判の特徴です。
なお、2週間以内に異議が述べられた場合、審判は効力を失い、手続は訴訟に移行します。また例外的ではありますが、証拠や争点があまりに複雑であるなど、3回以内の労働審判期日で適切な解決が見込めないと労働審判委員会が判断した場合には、審判を下すことなく手続が訴訟に移行します(労働審判法第24条1項。いわゆる「24条終了」)。
ただし、訴訟に移行した際も、労働審判の内容は引き継がれます。つまり、ゼロから訴訟を提起する場合と比べれば、労働審判で証拠や争点が整理された分だけよりスムーズに訴訟が進みますので、労働審判を行ったことがすべて無駄になるとは限りません。
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