同僚の前で上司から叱責されることに耐えられません。上司と会社を相手に慰謝料を請求することはできますか？

今回の場合、叱責がどのような内容・文言だったのかに加え、叱責をあえて同僚の前で行うという方法が「業務の適正な範囲」内で必要な指導方法だったといえるのかが特に問題となります。
通常、単に改善を求めるための指導であれば、皆の前を避けて、個室などの場所に呼び出して行う方法でも十分なはずです。
つまり、同僚の前で行う叱責は、同じ内容・文言の叱責を個室で行った場合に比べると、原則として、業務上適正とはいえない、不必要なものといえます。言い換えれば、業務上の指導という目的を超え、わざと“公開処刑”とすることで指導相手の人格を否定したり、同僚への見せしめにしたり、上司のストレスの捌け口にしたりする目的だったと考えざるを得ないとして、パワハラに該当する可能性が高くなります。

なお、一般論としてのパワハラの定義については、「パワーハラスメント（パワハラ）の定義は何ですか？」で、またパワハラによる慰謝料については、「パワーハラスメント（パワハラ）を受けた場合、慰謝料はいくらぐらい獲得できますか？」で詳しく解説をしています。併せてご覧ください。