任意交渉(示談)に
よる解決
発生した法的トラブルについて、双方が話し合い、お互いに歩み寄りつつ一定の取決めをして解決することを「任意交渉(示談)」といいます。
お互いの話合いによって解決を目指す任意交渉は、裁判所を利用した手続である「労働審判」や「訴訟」のように、特別な決まりごとがあるわけではありません。そのため、簡単な手続のように思う方もいらっしゃるでしょう。
しかし、弁護士を間に入れず、労働者と会社だけで交渉すると、大きな落とし穴にはまってしまうことがあるのです。
会社との交渉は、確かに自分で行うこともできますが、手続や形式が決まっていないため、多くの落とし穴があります。
ここでは、法律知識のない方が交渉する際に陥りがちなミスと、その対処法についてご説明します。
話合いのなかで取り決められた内容は、「示談書」(あるいは和解書、合意書など)を作成し、残しておくことが一般的です。そのため、任意交渉により決まった内容は、あとから変更することが極めて難しいものとなります。
たとえば、会社に対して未払い残業代の支払いを求め、会社もその義務を認めたとしましょう。
しかし、その前提としていた未払い残業代の計算方法がもし間違っていた場合、会社には任意交渉で決まった金額以上の支払義務はまったくない、ということになってしまうのです。
しかもこの問題は、未払い給与や退職金の請求、不当解雇などでも同じように起こり得ます。そうなっては、苦労して交渉を重ねてきた意味も大きく薄れてしまうでしょう。
一般の方が会社側と交渉した場合、反論された内容や提示された金額について、「どのように対応すればよいのか」、「どの程度までは妥協すべきなのか」といった点がわからないことも多いでしょう。
そもそも、会社が交渉のテーブル自体につかず請求が無視されるということも少なくありません。
また、会社には顧問の社労士や弁護士がいる場合も多々あるため、法律の知識がないまま、そのような相手方と交渉していくのは大きな負担になります。
ひどい場合には、気づかないうちに不利な条件で合意させられることもあるでしょう。
特に、不当解雇やセクハラ・パワハラなど、解決金の金額がはっきりとした基準で表せないものについては、十分に気をつける必要があります。
先ほどご説明したとおり、話合いによって取り決められた内容は、示談書として残すことが一般的です。
しかし、示談書を作成するにあたり、その記載内容が具体的に決まっているわけではありません。細かい表現方法や記載する内容が自由な分だけ、あとになって誤解が生じることもあれば、トラブルが再発してしまうこともあるのです。
たとえば、示談書に記載された内容のなかに、意図せずに法令に違反してしまうような内容が盛り込まれていた場合には、原則としてその内容は無効となってしまいます。
また、肝心の取決め内容や、会社側が取決めに違反した場合の制裁などについても、曖昧な表現がされていれば、法的には権利や義務が発生しない(法的な効力をもたない)という場合もあり得るのです。
そのような事態を招かないように、示談書への記載内容は細心の注意を払うことが求められるのです。
ご説明したようなトラブルを回避する有効な方法として、「弁護士に依頼する」ことが挙げられます。
あなたに代わって弁護士が交渉すると、たとえば下記のようなメリットがあります。
弁護士が間に入ることで、労働者にとって不利になる取決めや、のちにトラブルの火種となる内容を避けることができるのです。
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