残業代請求コラム

サービス残業は違法?残業代請求の方法や必要な証拠を解説!

公開日: 更新日:

サラリーマンの方であれば、「サービス残業」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。

「サービス残業ばっかりで嫌になっちゃうよ」、「納期前は特に忙しくて、昨日もサービス残業でさぁ…」などなど、労働者の立場からすると、あまりいい意味で使われてなさそうだなというのは何となくわかりますよね。そもそも「サービス残業」とは、どのようなものなのでしょうか?

今回の記事でわかること
  • サービス残業の意味と残業代の基礎知識
  • よくあるサービス残業の例
  • 残業代請求のための証拠の集め方
目次
  1. サービス残業の意味
  2. サービス残業のあるあるケース
    1. タイムカードを定時で押したあと、残業するように言われている
    2. そもそも勤怠管理をしていない
    3. タイムカードは正しく押しているのに、残業代がもらえない
  3. サービス残業が違法ってどういうこと?
    1. 行政の話
    2. 民事の話
  4. 在職中から始める残業代請求の準備
    1. タイムカードは正しく押しているのに、残業代がもらえない場合
    2. 定時打刻でもあきらめない残業代請求
  5. まとめ

サービス残業の意味

サービス残業とは、残業代がもらえない残業、すなわち「タダで働く時間外労働」を意味します。

残業代については、労働基準法という法律が、「雇い主は、1日8時間・週40時間を超えて労働者を働かせた場合、残業代を支払わなければならない」と定めています。また、定時が8時間より短い場合、たとえば、土曜日の所定労働時間が3時間なのに、4時間働かせたという場合は、定時外で働かせた1時間分について残業代を支払わなければなりません。

サービス残業は、労働者から見て、「会社のためにサービスで(タダで)働いてやっている」というニュアンスなのですが、実際のサービス残業は、雇い主に強制されているケースがほとんどなので、「サービス」という言葉にはちょっと違和感を覚えますよね。

では、実際にどのような形で、雇い主はサービス残業をさせているのでしょうか。

サービス残業のあるあるケース

サービス残業の理由はそれぞれですが、タイムカードなどを導入して勤怠管理をしているケースと、勤怠管理すらしていないケースがあります。そこで、勤怠管理の有無や残業の状況にポイントを置いて見ていきましょう。

タイムカードを定時で押したあと、残業するように言われている

嘘の記録を残すよう強制されているケースです。これは、勤怠管理が必要であることや、労働者が実際に残業をしていることを、雇い主が把握しながら、あえて嘘の記録をさせ、証拠上、残業していないように見せかけているので、悪質といえますね。

早出残業の場合に、定時前の掃除や朝礼参加を強制しながら、タイムカードは定時にしか押させないというパターンもあります。

そもそも勤怠管理をしていない

雇い主は、労働者の健康管理や残業代支払いのため、タイムカードなどの客観的な記録で、労働時間を管理する義務を負っています(労働安全衛生法第66条の8の3)。そのため、勤怠管理を行わず、さらに残業代を支払わないという点で、違法行為を重ねていることになります。

「会社を立ち上げたばかりで、勤怠管理や残業代の必要性をわかっていなかった」というケースも多いのですが、なかには「過去に、従業員から残業代を請求されたため、タイムカードが廃止された」という話を聞くことも!

もちろん、勤怠管理をしなければ、残業代を支払わなくてよいということにはなりません。人を雇い入れる以上、「労働基準法を知らなかった」では済まされないのです。

タイムカードは正しく押しているのに、残業代がもらえない

残業をさせた場合、雇い主は、タイムカードに記録された労働時間を分単位で計算して、残業代を支払わなければなりません。これは当然のことなのですが、残念ながら理由なく残業代が支払われていないケースもまだまだあります。

一方、労働者が労働基準法上の「管理監督者」に該当する、「裁量労働時間制」が適用されているといった場合は、労働者の健康管理のためにタイムカードを打刻させ、残業代は支払わなくてもよいことになっています。ただし、管理監督者にも深夜手当は支払わなければいけませんし、本当に管理監督者に該当するのか、裁量労働時間制が適用されるのかという点も、疑ってかかる必要があります。

サービス残業が違法ってどういうこと?

雇い主が、労働者に残業をさせたのに、残業代を支払わないのは違法です。では、違法だとして、何ができるのでしょうか?

行政の話

雇い主が労働者に残業代を支払わない場合、労働基準監督署は、指導や是正勧告を行うことができます。また、労働基準法には、罰則が定められているので、勧告に従わない場合は、30万円以下の罰金などの刑罰が課されることがあります。

もっとも、罰金まで行くケースは稀ですし、罰金は、雇い主が国に納めるものであり、労働者の手元に入ってくるわけではありません。

民事の話

労働者としては、働いた分の残業代を支払うよう会社に求めていく必要があります。

労働基準監督署に残業代の話をして、計算方法や請求のアドバイスを受けたり、労働基準監督署から会社に連絡したりしてもらうことも可能です。ただし、労働基準監督署を通して残業代の請求をしただけでは、残業代の時効は止まらないので、注意が必要です。

残業代の計算は複雑です。弁護士に相談して正確な計算を行い、きちんとした金額を請求することも検討してみてください。

在職中から始める残業代請求の準備

残業代を請求する場合、証拠や資料に基づき日々の労働時間を計算する必要があります。

タイムカードは正しく押しているのに、残業代がもらえない場合

「タイムカードは正しく押しているのに、残業代がもらえない」のケースのように、正しい労働時間を記録したタイムカードが存在する場合、タイムカードに沿って計算をすることになります。

在職中からタイムカードのコピーや写真をとっておくと、請求がスムーズに進められます。また、会社には保管されているけど、手元にないという場合でも、弁護士を通してタイムカードの開示を求めたり、訴訟手続のなかで資料開示を求めたりすることが可能ですので、手元にタイムカードがないからといって、残業代請求を諦める必要はありません。

定時打刻でもあきらめない残業代請求

「タイムカードを定時で押したあと、残業するように言われている」「そもそも勤怠管理をしていない」のように、勤怠管理がされていなかったり、あっても嘘の記録をさせられていたりするケースでも、タイムカード以外に証拠があれば、その証拠を足掛かりとして残業代を請求することが可能です。

在職中から、日々の労働時間を手帳やメモに残しておく方法がもっとも簡単です。メモを残す場合、1分単位で始業時間や終業時間を記録しておくとよいですね。

ただし、労働者自身が書いたメモだけでは、「あとで自分に都合よく書いただけではないか?」という疑いを持たれてしまうので、メモと一緒に労働時間のヒントになる資料を集めたり残したりしておきましょう。

具体的には、以下のような資料です。

  • 労働時間が書かれた日報など、タイムカード以外のもの
  • 客先への訪問時間が書かれたスケジュール
  • 業務上送信したメール(送信時刻がわかるもの)
  • 自分しか使っていない会社パソコンのログイン・ログオフの記録
  • 毎日家族や交際相手に送る帰宅連絡のLINEやメール
  • GPS機能を利用した労働時間記録アプリの記録

このほかにも、職種によって労働時間がわかる資料はあると思いますので、在職中から可能な限り集めておくとよいでしょう。

また、「なぜタイムカードの記録が嘘だといえるのか」という理由づけのために、残業の際はタイムカードを定時で押すよう記載された張り紙の写真を撮っておく、上司から受信した社内メールを残しておくというのも有効です。

まとめ

ここまで述べてきたように、タイムカードに記録がないというだけで、残業代の請求を諦める必要はありません。残業代の請求は、労働者の権利ですので、働いた分についてはきっちりと支払ってもらいましょう。

アディーレ法律事務所では、残業代請求に関するご相談は何度でも無料です。労働トラブルを得意とする弁護士がご相談を担当いたしますので、ご安心ください。きっとあなたの心強い味方になるはずです。サービス残業をしているのに残業代をもらいそびれたという方、残業代が支払われていなくて疑問に思う方は、アディーレ法律事務所までご連絡ください。

監修者情報

島田 さくら
弁護士

島田 さくら

しまだ さくら
資格
弁護士、2級知的財産管理技能士、2級FP技能士、宅地建物取引士(有資格)、JADP認定 夫婦カウンセラー
所属
東京弁護士会
出身大学
中央大学法学部,大阪大学大学院高等司法研究科

弁護士は敷居が高いし,なんだか怖そう。以前は私もこのようなイメージを持っており,困っている方が気軽に相談でき,寄り添える弁護士になりたいと思いました。知らない間にトラブルに巻き込まれていたり,後悔するようなことをしてしまったり,そんな人は意外にたくさんいます。勇気を持って,ぜひ1度ご相談ください。難しいことばを使う必要はありません。上手に話そうとする必要もありません。あなたの置かれた状況や胸につかえた気持ちを,あなた自身のことばで聞かせてください。未来のあなたが笑顔でいられるように,今何をすべきか,一緒に考えさせてください。

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