労働問題に関するQ&A

解雇が認められるケースとしては、どのような具体例がありますか?

解雇は、使用者が一方的に労働契約を解約することです。解雇は、大きく普通解雇と懲戒解雇の2つに分けられます。

普通解雇は、労働者の懲戒事由を理由としない解雇であり、代表的なものとして整理解雇があります。整理解雇は、裁判例を通じて(1)整理解雇の必要性、(2)解雇の回避努力義務、(3)解雇対象選定の合理性、(4)労働者側との協議・手続の合理性の4つの要件が定められており、この要件を満たしているか否かによって解雇の妥当性が判断されます。たとえば、つぎのようなケースでは、解雇が認められる可能性があります。

  • 会社の経営が著しく傾き、経営合理化のために人員を整理しないと会社の存続が非常に危ぶまれる状態となった。そこで会社は、不要資産の処分や人員の配転、希望退職の募集などを尽くしたが、さらなる人員整理の必要性があり、労働組合と協議を重ねた結果、欠勤率が一定以上の従業員に対して解雇が言い渡された。

いっぽう、懲戒解雇は、就業規則上の懲戒事由がある場合に行える解雇です。たとえば、つぎのようなケースでは、解雇が認められる可能性が高いと考えられます。

  • 2週間以上、正当な理由なく、かつ会社への連絡もなく無断欠勤し、その後も不定期に無断欠勤をしており、上司からの再三の注意を受けてもまったく改まらない場合
  • 会社の資産を使い込み、横領をしていた場合
  • 特定の取引先から収賄を受けて業務報告書に虚偽の記載をしたために、会社に多額の損害を与えた場合

このように、解雇が認められるためにはさまざまな要件が必要となりますので、急な解雇を言い渡された場合は、安易に同意せず、まず弁護士に相談することが重要です。

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